親友との別れ
アニーさんと付き合って浮かれていたけれど…
イムラがなんだか意味深に見つめてくるので、嫌な予感がしたんだ。
陛下の具合が良くない…
陛下はこの広い王家の居室で一人で暮らしている。
寝込んでいる陛下に、何もできないけれど…
せめて傍にはいようと思ったんだ。
恋人とデートしなくていいのかって聞かれたけれど、アニーさんには朝一で挨拶しているから大丈夫と答えた。
この日にデートの約束をしていなくてよかったよ。
それに、アニーさんなら私の気持ちをわかってくれるはずだ。
そう言ったら陛下はのろけかと笑っていた。
夜遅くに陛下の容態は悪くなった。
…御家族に見守られて、陛下は息を引き取ったんだ。
まだ、陛下の御家族が駆けつける前に、陛下は色んな思い出話をしてくれた。
人生には色々なことが起こるけれど、大切な人達との生活を大事にしなさいと。
そして自分以外の親友を早く作りなさいと…
初めて親友になってくれた陛下と、こうしてお別れをした…