父との別れ
父さんがもう長くないと聞いてから、毎日お弁当を届けて、今日も元気だ、と確認していたのですが…
やっぱり、その日は来てしまいました。
黒い天使を肩に背負ったまま、父さんはその瞬間まで1度もベッドに横になることはありませんでした。
子供の時からずっと強い人というのが父さんの印象です。
母さんが魔銃導師や龍騎士になっても、いつも淡々と遺跡の探索に出掛けていくような人でした。
あんまり笑ったり怒ったりしない人だったけれど、母さんが笑顔でいられることを、一番大切にしていたと思います。
父さんを亡くした母さんのことがこれから心配です。
ラインハルトはおじいちゃんと走り回ることができなかったね…
父さん、抱っこくらいはしてくれたかな?
レナータ姉さんが喪主をつとめました。姉さんだけは長子として、魔銃兵のあとを継いで、今も続けています。
絶対に、父さんのことを忘れたりしないよ…